制度と数字(2026年度)
電気代補助の終了後、蓄電池の価値はどう変わる?1・2月の4.5円引きがない月は蓄電池1kWhの価値が2〜3割高い(試算)|買う前に確認する補助金の締切
公開:2026-11-01 / 原稿確認:2026年11月1日 / 運営:AI Mediaz
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確認日:2026年11月1日
電気代補助の終了と蓄電池:この記事の結論
- 2026年冬の電気代補助は低圧で12月使用分1円、2027年1月・2月使用分4.5円/kWhの値引き。3月以降は未定です(経済産業大臣会見、2026年10月30日)。
- 補助がある月は買う電気が安くなるぶん、太陽光の自家消費や蓄電池で「買わずに済んだ1kWh」の価値も下がります。補助がない月は、卒FIT後の蓄電池の1kWhの価値が1・2月より約2〜3割高い計算です(買電27.45円のモデル値で約31%、買電35円なら約20%。本稿の試算)。
- ただし冬3か月の目減りは蓄電池で約1,700円。蓄電池を買うかどうかは、補助の有無より国・自治体の補助金の受付状況と見積額で決まります。

自家消費1kWhの年平均の価値や、自家消費率と回収年数の関係は自家消費率と電気代削減と自家消費率で回収年数はどう変わるかで扱っています。この記事は「期間限定の電気代補助が、月ごとの価値をどれだけ動かすか」に絞ります。
電気代補助はいつ終了する?2026年12月〜2027年2月の単価
政府の電気・ガス料金支援は、2026年10月29日に首相が実施を表明したと報じられ、翌30日の経済産業大臣の閣議後会見で月ごとの単価が示されました。昨冬(2026年1〜3月使用分)より1か月早く始まり、12月から2月までの3か月間です。
| 使用月 | 電気・低圧(家庭向け) | 電気・高圧 | 都市ガス |
|---|---|---|---|
| 2026年12月使用分 | 1.0円/kWh | 0.5円/kWh | 4円/㎥ |
| 2027年1月使用分 | 4.5円/kWh | 2.3円/kWh | 18円/㎥ |
| 2027年2月使用分 | 4.5円/kWh | 2.3円/kWh | 18円/㎥ |
| 2027年3月使用分以降 | 未定 | 未定 | 未定 |
出典:経済産業省 大臣会見の概要(2026年10月30日)
会見では、電力使用量が多くなる1月・2月に重点を置き、標準的な家庭で電気・ガスを合わせて3か月で昨冬並みの約7,000円の負担軽減になると説明されています。3月については、気候とエネルギー価格の動きを見て対応を検討するとしており、「2月で終わる」とも「3月も続く」とも決まっていません。
決まっていること・まだ決まっていないこと(11月1日時点)
| 項目 | 状況 |
|---|---|
| 12月〜2月使用分の実施と月別単価(低圧・高圧・都市ガス) | 決定(大臣会見で表明) |
| 標準的な家庭の負担軽減の目安(約7,000円) | 会見で表明 |
| 3月使用分以降 | 未定(検討) |
| 電力会社が値引きするための特例認可などの手続き | 冬の分は未公表(夏の支援では6月12日に経済産業省が発表) |
| 財源・LPガスの扱い | 会見の電気・ガスの説明では触れられていない |
金額の目安は示されていますが、細かな手続きはこれからです。資源エネルギー庁の特設ページも、11月1日時点では夏(7〜9月使用分)の内容のままでした。
参考までに、昨冬は2026年1月・2月使用分が4.5円、3月使用分が1.5円でした(東京電力エナジーパートナーの2025年12月5日の案内)。今冬も同じ形になるとは限りません。
「12月使用分」はいつの請求で値引きされる?
夏の支援では、資源エネルギー庁の特設ページが「7月使用分」を原則として7月中の検針日から8月中の検針日までの使用分と定義していました。冬の支援でも同じ扱いになるか、何月の請求から反映されるかは、契約している電力会社の案内で確認してください。夏の支援では家庭向けは申請不要で、電力会社が使用量に応じて毎月の料金から値引きする仕組みでした。値引きを口実に個人情報や手数料を求める電話・メールには応じないよう、特設ページでも注意を呼びかけています。
補助がある月、自家消費と蓄電池の1kWhの価値は下がる?
下がります。理由は単純で、自家消費や蓄電池の価値は「買わずに済んだ電気の単価」で決まるからです。補助で買う電気が1kWhあたり4.5円安くなれば、自家消費で浮く金額も4.5円減ります。
蓄電池の場合はもう一段あります。昼の余った電気を売らずにためて夜に使うので、価値は「夜に買わずに済んだ単価」から「昼に売れたはずの単価」を引いた差です。売電単価は補助と関係なく変わらないため、差額が4.5円分そのまま縮みます。
月別に試算すると、いくら変わる?
前提は当サイトの既存記事と同じにそろえました。
- 買電単価:27.45円/kWh(調達価格等算定委員会が2026年度の住宅用太陽光の算定に使う自家消費の便益。大手電力の2014〜2023年度の家庭用電気料金単価の平均に消費税10%を加味した値で、実際の契約単価ではなくモデル値)
- 卒FIT後の売電単価:8.50円/kWh(東京電力エナジーパートナーの標準的な買取単価の例、税込)
- FIT5〜10年目の売電単価:8.3円/kWh(2025年10月〜2026年度認定の住宅用。1〜4年目は24円)
27.45円は過去の実績単価の平均なので、燃料費調整額や再エネ賦課金を別に足し引きしていません。今冬の実際の単価は契約や燃料費調整額で上下するため、表の数字は「補助の有無で何円動くか」を見るための目安です。
- 充放電の損失:「なし」と「効率90%(仮定)」の2通り
| 使用月(補助) | 自家消費1kWh | 蓄電池1kWh(卒FIT・損失なし) | 蓄電池1kWh(卒FIT・効率90%) | 蓄電池1kWh(FIT5〜10年目) |
|---|---|---|---|---|
| 12月(1円引き) | 26.45円 | 17.95円 | 15.30円 | 18.15円 |
| 1月・2月(4.5円引き) | 22.95円 | 14.45円 | 12.16円 | 14.65円 |
| 3月(補助なしの場合) | 27.45円 | 18.95円 | 16.20円 | 19.15円 |
| 3月(参考:昨冬並み1.5円引きの場合) | 25.95円 | 17.45円 | 14.86円 | 17.65円 |
試算:本稿の計算。単価の前提が変わると数字も変わります。
この前提では、1・2月と補助のない月を比べると、卒FIT後の蓄電池1kWhの価値は14.45円と18.95円で、補助のない月が約31%高くなります。充放電効率90%を見込むと約33%です。一方、蓄電池を通さない太陽光の自家消費は22.95円と27.45円で約20%の差にとどまります。「約3割」は、卒FIT後の蓄電池をこのモデル単価で計算した場合の数字です。
電気代が高い家ほど、補助終了の影響は小さい?
割合で見ると小さくなります。買電単価を仮に31円・35円と置いて同じ計算をすると、1・2月→補助なしの月の上がり幅は、31円で約25%、35円で約20%でした。金額の差はどの単価でも4.5円で同じですが、もとの価値が大きいほど比率が小さくなるためです。自分の単価は、検針票の電力量料金(燃料費調整額・再エネ賦課金を含めた1kWhあたり)で確認できます。賦課金を別に足すと二重計上になる点は自家消費率と電気代削減の説明と同じです。
冬の補助で、蓄電池の回収年数は延びる?
ほとんど変わりません。補助金を前提にしない回収計算と同じく、蓄電池10kWh(税抜125万円、税込137.5万円と仮定)で年2,000kWhを夜に回す例で計算します。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 補助のない年の蓄電池の年間効果 | 37,900円(2,000kWh×18.95円) |
| 12〜2月の補助で目減りする額(月167kWhで均等と仮定) | 約1,667円 |
| 同じ期間の太陽光自家消費の目減り(年6,176kWh×自家消費率35.2%) | 約1,812円 |
| 補助なしの単純回収年数 | 約36.3年 |
| 冬の補助が1回入ったことによる延び | 約0.04年 |
冬は発電量が少ないため、実際の目減りは月均等で置いたこの数字より小さくなりやすいです。いずれにしても、電気代の補助は1回きりの一時的な値引きで、10年以上使う設備の損得を左右する大きさではありません。
一方、たとえば東京都の令和8年度の蓄電池補助は、2026年2月の公表で新設10万円/kWh(DR実証に参加しない場合の上限120万円/戸)とされています。10kWhなら100万円で、冬の目減り約1,700円の約600倍にあたります。判断を大きく動かすのは、電気代補助ではなく設備の補助金と見積額です。
蓄電池の補助金、締切はいつ?2026年11月時点の状況
| 制度 | 2026年11月1日時点の状況 | 確認先 |
|---|---|---|
| 国:家庭用蓄電システム導入支援事業(令和7年度補正、いわゆるDR補助金、SII) | 終了。交付申請額が予算に達したため2026年5月29日に公募終了、再開予定なし | SII事業ページ |
| 国:2027年度の家庭用蓄電池補助 | 未決定(予算は成立していない) | 経済産業省・SIIの発表 |
| 東京都:家庭における蓄電池導入促進事業(令和8年度) | 2026年2月の公表では新設10万円/kWh(DR実証不参加の上限120万円/戸)、増設6万円/kWh(同72万円/戸)、DR実証参加で1件10万円の上乗せ。事前申込は5月末頃、交付申請兼実績報告は6月末頃から開始の予定で、締切日は未公表。予算残は最新の案内で確認 | 東京都環境公社(クール・ネット東京) |
| 市区町村の補助 | 自治体ごとに異なる。先着・抽選・契約前の事前申請が必要な例がある | 住んでいる自治体のページ |
国の次の補助がいつ、いくらになるかの見通しは家庭用蓄電池の補助金2027は未決定でまとめています。
補助終了の前後で蓄電池を検討する人は何を確認すればいい?
次の順番で確かめると、電気代補助のニュースに振り回されずに済みます。
- 自分の買電単価を出す:直近の検針票で、補助の値引きがない月の1kWhあたりの単価を確認する(補助で安く見える1・2月の請求で計算しない)。
- 売電単価を確認する:FIT期間中か卒FIT後か、契約先の買取単価はいくらか。
- 夜に回せる量を見積もる:昼の余剰と夜の使用量の小さい方が上限。販売店には時間帯別の使用量を渡す。
- 補助金の受付状況と条件を確認する:国・都道府県・市区町村それぞれについて、受付中か、契約前の申請が必要か、併用できるか。
- 見積書の前提をチェックする:電気代の単価を補助中の安い値で置いていないか、逆に高すぎる値で置いていないか。
- 補助を差し引いた実質額で比べる:複数社の見積もりを同じ条件で並べる。
契約前に確認したいチェックリスト
| 確認すること | 確認した? |
|---|---|
| 見積書の電気代単価は、補助の値引きがない月の単価になっているか | □ |
| 補助金は「契約前・着工前の申請」が必要か | □ |
| 補助金の受付が予算到達で先に終わる可能性を、販売店と共有したか | □ |
| 国と自治体の補助を併用するとき、対象経費から差し引くルールを確認したか | □ |
| 補助が受けられなかった場合でも契約を続けるか、解約条件はどうなっているか | □ |
| 訪問販売の場合、クーリング・オフの説明を受けたか | □ |
補助金の可否や契約内容の最終判断は、自治体の窓口や販売店の書面で確認してください。
相談先・見積もりの取り方
蓄電池は同じ容量でも見積額に幅が出やすい設備です。補助金の受付状況を販売店に確認してもらいながら、2〜3社の見積もりを同じ条件(容量・工事範囲・保証)でそろえると比べやすくなります。
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- タイナビ蓄電池(運営:株式会社グッドフェローズ)
- エコ×エネの相談窓口(運営:WAVE株式会社)
※リンク先で申し込みや問い合わせがあった場合、当サイトに報酬が支払われることがあります。補助金・価格の条件は各社の公式ページと見積書で確認してください。
よくある質問
Q1. 電気代補助は2027年3月で終了しますか?
2026年10月30日時点で、支援が決まっているのは2月使用分までです。3月使用分の扱いは「気候とエネルギー価格を見て検討」とされ、未定です。
Q2. 補助がある冬に蓄電池を設置すると損ですか?
損というほどの差ではありません。本稿の条件では、冬3か月で蓄電池の効果が約1,700円目減りする程度です。設置時期は、補助金の受付と工事日程で考える方が現実的です。
Q3. 補助が終わると電気代はどれくらい上がりますか?
低圧の家庭では、1・2月使用分の4.5円/kWhの値引きがなくなる計算です。月300kWh使う家なら1,350円分です。実際の請求額は燃料費調整額など他の要素でも変わります。
Q4. 太陽光だけの家にも電気代補助は関係ありますか?
あります。買う電気は補助で安くなり、自家消費で浮く金額はそのぶん小さくなります。売電単価は補助の対象ではないので変わりません。
Q5. 国の蓄電池補助金は今申し込めますか?
令和7年度補正の家庭用蓄電システム導入支援事業は2026年5月29日に公募が終了し、再開予定はないとされています。次の国の補助は2026年11月1日時点で未決定です。
Q6. 見積書の「電気代削減額」はどの単価で見ればいいですか?
補助による値引きを含まない単価で計算されているか確認してください。補助中の安い単価だと削減額が小さく、補助を含めないまま高い単価を置くと大きく見えます。前提の単価を書面で出してもらうと比べやすくなります。
Q7. 補助がある1・2月は、蓄電池をためずに売電した方が得ですか?
卒FIT後の家なら、本稿の前提ではそうはなりません。4.5円引きの月でも、ためて夜に使えば22.95円分の買電が減り(効率90%なら約20.66円)、売電の8.50円を上回ります(差は14.45円、効率90%で12.16円)。例外は売電単価が24円のFIT1〜4年目の家で、1・2月は買電22.95円が売電単価を下回るため、売電の方が有利になる計算です。
Q8. 店舗や事業所(高圧)の場合はどうなりますか?
高圧の値引きは12月0.5円、1・2月2.3円/kWhで、低圧のおよそ半分です。自家消費や蓄電池の価値が目減りする幅も、同じ考え方で低圧の約半分になります。
本稿の試算は概算で、将来の電気料金や回収年数を保証するものではありません。制度は変更されることがあるため、実行前に公式情報の更新日と条件を確認してください。
シロクのひとこと:補助の月と、補助のない月。単価を分けて見れば、迷いが減るよ。
参考資料
公開時の確認日:2026年11月1日。資料の公開日・対象時点は各リンク先をご確認ください。
- 経済産業省「赤澤経済産業大臣の閣議後記者会見の概要」(2026年10月30日)
- 資源エネルギー庁 電気・ガス料金支援 特設ページ(「使用分」の定義、2026年7〜9月使用分の単価)
- 経済産業省 ニュースリリース(2026年6月12日、2026年7〜9月使用分の値引き単価)
- 東京電力エナジーパートナー プレスリリース(2025年12月5日、2026年1〜3月使用分の値引き単価)
- 調達価格等算定委員会「令和7年度以降の調達価格等に関する意見」(自家消費便益27.45円/kWh)
- 東京電力エナジーパートナー 再エネおあずかりプランの重要事項(標準買取料金 8円50銭/kWh)
- SII 令和7年度補正 家庭用蓄電システム導入支援事業(2026年5月29日に公募終了、再開予定なし)
- 東京都環境局・東京都環境公社「令和7年度事業の受付期間及び令和8年度事業の概要・今後の予定について」(2026年2月18日)
- 首相官邸:2026年10月29日会見(冬の電気料金支援単価)
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