蓄電池は元が取れる?4つの家庭で15年分を試算した結果
相場どおりに買うと多くの家庭でマイナス。プラスになる家の条件をグラフで見せます。

結論:相場どおりの価格だと、多くの家庭で元は取れない
先に結論を書きます。経済産業省の資料にある補助なしの相場(設備15〜20万円/kWh+工事約2万円/kWh)で買うと、一般的な4人家族の条件では15年で元が取れません。元が取れるのは、余る電気と夜の使用量がどちらも多く、補助金と安い見積もりがそろった家庭です。
4つの家庭で試算しました。条件は下にすべて書いています。自分の数字で計算したい場合は計算票を使ってください。
家庭A:相場どおりの価格で買った場合
太陽光4.5kW、昼の自家消費30%、夜の使用8kWh/日、電気代31円/kWh(年1%値上がり)、卒FIT売電8.5円。7kWhの蓄電池を工事費込み130万円、補助金なし。
1年目の節約は約3.2万円、15年で約53万円。15年後でも約77万円のマイナスです。この家の「元が取れる価格の上限」は約7.6万円/kWhで、相場の半分以下です。
家庭B:安い見積もり+補助金+電気代が年3%上がる場合
家庭Aと同じ家で、見積もりを比べて85万円まで下げ、自治体の補助金15万円を使えた場合。さらに電気代が毎年3%上がると仮定しました。
実質負担は70万円まで下がりますが、15年後はまだ約5万円のマイナスです。電気代の上がり方次第でぎりぎり届くかどうか、という位置です。
家庭C:余剰も夜の使用も多い家+大きめの補助金
太陽光6kW、夜の使用11kWh/日(オール電化などを想定)、電気代35円/kWh(年2%値上がり)。10kWhを120万円、補助金40万円。
1年目の節約は約5.5万円で、約12.5年で元が取れ、15年後は約19万円のプラスになります。補助金の大きい自治体に住んでいて、電気をたくさん使う家なら、お金の面でも成り立つということです。
家庭D:東京都の補助金(1kWhあたり10万円)を使う場合
家庭Aと同じ家・同じ7kWhで、東京都の補助金70万円(10万円×7kWh)を使った場合です。工事費込み130万円のままだと実質負担は60万円で、15年後は約7万円のマイナスとほぼトントン。見積もりを比べて110万円まで下げられれば、実質40万円になり約11.5年で元が取れ、15年後は約13万円のプラスです。
家庭Aの条件で、工事費込み110万円・補助金70万円の場合。東京都の補助額は、税抜の対象経費と比べて低い方になります。制度の詳細は東京都の蓄電池補助(令和8年度)と都道府県別の補助金で。
なぜ結果がこれほど違うのか
- 貯められる量には上限がある:余剰が少ない日や、夜にそこまで使わない家では、容量を大きくしても使い切れません。
- 1kWhの価値は「買う単価−売る単価」:31円で買う電気を8.5円で売るのをやめるので、1kWhあたり約22円の得です。売電先を高い会社に変えると、この差はかえって縮みます。
- 価格がいちばん効く:容量7kWhなら、1kWhあたり1万円下がるだけで7万円違います。
この試算には、停電時に電気が使える価値は入っていません。災害への備えに価値を感じるなら、「お金の面ではいくらの持ち出しか」を知ったうえで決めるのが納得感のある選び方です。
自分の家の上限価格で買えるか、見積もりで確かめる
元が取れるかどうかは、最後は見積もり価格で決まります。1社だけの提案では高いか安いか判断できないので、同じ容量で2〜3社の見積もりを並べてください。
どちらも無料の見積もり・相談サービスです(PR・広告)。依頼しても契約の義務はありません。対応地域・条件は各公式ページで確認してください。
費用と条件を分けて、ひとつずつ確かめよう。